心遣い

これが自然にできる人って尊敬します。
僕の廻りにもいろんな心遣いの名手がいらっしゃいますが、先日こんな事が…。
お盆を迎えたおばあちゃんのマンションに、例のお坊さんが御経をあげに来てくださった時の事。おばあちゃんが御茶を淹れ、18になる妹に運ばせました。雑談のさなか、和尚さんは「おいしいです」と柔らかい京都なまりでおっしゃいました。
また雑談が始まり、そろそろ帰ろうかという空気の中、残った御茶を啜ったあとにもう一度「おいしいです…」と、よりしみじみとおっしゃいました。
そりゃ偉いお坊さんが来られるんだから、ええ御茶を入れるのは当然の事くらいにそんときは思っていたんですが、後日和尚さんに呼び出された時、その真意を聞かされました。「なんで2度もおいしいと言われたのですか?」と僕が聞く前に。
「この間のおばあちゃんの心遣い、本当に有難かった。本当にええ御茶と言うんは、熱湯で淹れたらいかんのや。前もって湯を沸かしといて、ちょうど良いころ合いを見て淹れる。
そんで、この時期は1日に何軒も壇家を廻るやろ。暑いから大抵どこの壇家さんもキンキンに冷えた御茶を出して頂くんやけど、何杯も飲んでると腹がおかしくなる。
そんときおばあちゃんは毎年あの御茶を淹れてくれるんや。そうすると、体にスーッと入って汗が引いてくんや。」
なるほど。
やっぱすげえや、ばあちゃん。もう90をとうに越してるというのに、まだマンションで1人でシャンと暮らしとる、偉大なるグランドマザー。世界で一番尊敬してます。
そういや先日、駅通り界隈でまたお気に入りの店を発見しました。70歳くらい?のおばあちゃんが1人で切り盛りしておられる焼肉屋さんなんですが、超家庭的な雰囲気ながら味は抜群。確かメニューが無かったと思うんですが、どの肉も極厚で脂が少なく、適度な歯ごたえで肉喰っとるなっちゅう感じです。
何より割烹着をきちっと着てシャンとしておられるおばあちゃんの「心遣い」がうれしいお店でした。誰か行こうぜ!!(笑)
僕も良い心遣いが自然できるような人になりたいですね。