「 言葉にすること自体がその表現を薄っぺらくしてしまう」
苦悩や闇を極めた人間から産み出されるものを前に、そう思った。

聴力を完全に失い、立っていられないほどの轟音のような耳鳴りに襲われながらも80分にも及ぶ交響曲を完成させた作曲家に、左手を失ったバイオリニストの少女が4年の歳月をかけて折った千羽鶴を贈った。
それを見て、自分の薄っぺらさを恥じる。
でもそれが人間だ。
大なり小なり、人には苦悩や闇がある。
その絶望が深ければ深いほど、針の穴ほどから差す光がどれだけ人の心を動かすことか。
久々にガツーンやられたわ、ほんとに。