1日目

ちょうど1週間前の今頃、盛岡市内をスーツケースをガーガー引きながら歩いていました。
母方の祖父の一周忌の為です。朝8時に家を発ってから新幹線に揺られ9時間余り、ほぼ本州縦断です。
もともと母の実家は世田谷区下北沢。今はバンドの聖地だなんて呼ばれてるところです。僕が中学の頃までは下北沢の家に帰省していたのを覚えています。山口から東京に帰省だなんて、今考えるとおもしろいっすね。それがなんやかんやあって祖父母が岩手県盛岡市に移住して、この土地に縁ができたという訳です。
東海道新幹線の中では新山口駅から乗り合わせた受験生との微笑ましいやり取りがあったりで飲酒を控えめに抑えましたが、東北新幹線に乗り換えるときに国技館やきとりを購入してからは、移動販売が通る度にビールをオーダー。仙台あたりでまずいなと思いチューハイにシフトしましたが、すでにかなりの仕上がりでした。あれうまかったなー。


明るいうちに盛岡到着。思っていたほど強烈な寒さはなく拍子抜け。

酔いさましに駅より市内を散策。北上川から岩手山を眺望。高校生の時、この近くの古い釣具屋さんで工芸品でもある盛岡毛針を祖父に買ってもらって釣りをしたのをよく覚えています。運が良ければイワナが釣れるなんて聞いたもんだから夢中になってやってたけどハエンボみたいなのしか釣れなかった。釣具屋さんを探してみたけど見つからなかったのが残念。。
余談ですが、娘2人しかいなかった祖父は僕をどうしても養子にしたかったらしく、盛岡に来たときは至れり尽くせりの扱いを受けていました。一番びっくりしたのはいいなずけのような女性が登場した事。(しかもけっこう美人でしたw)その時顔合わせに使ったホテルを見つけたりして、当時を思い出しました。
さて、そのまま親戚のいる祖父宅にいくのもつまらないし、せっかくだから岩手っぽい店で飲みたいのでとにかく歩いてリサーチ開始。大通りと呼ばれるメインストリートには大手チェーンが立ち並び、ちょうど金曜日だったこともあり多くの人で賑わっていました。一本路地裏に入ると花街があって、キャッチのお兄さんが超笑顔で迫ってきます。足早に退散。こんなとこじゃなくて、もっと地元の酒呑みが集まる、場末感漂う飲み屋が軒を連ねるとこにいきたいんです。
遂に発見。

おー。超気になる。。


のれん逆だし。きっと偏屈親父に違いない、〆はここやな。
とかって迷ってるともうどこに入ればいいのか完全に迷子に。
最終的に選んだのは絶対に失敗だけはなさそうな居酒屋に潜入。かまどご飯のある店だってとこに惹かれました。カウンターの一番端っこにスタンバイ。
とりあえずビールをオーダー。お通しに出てきたのがイカのワタ煮で自分の判断が正しかったことを確認。店員さんに山口から来たことを告げ、岩手っぽいものを適当に出してくださいとお願いしました。一杯目のビールを飲み干してからは日本酒にシフト。危険なのは承知もやっぱり地酒を楽しみたいじゃん。このお店の素晴らしいとこは、お酒を頼むとそのお酒の仕込み水を一緒に出してくれるところ。山口のお店でも酒と同量のお冷を出してくれるお店はあるが、銘柄ごとの伏流水を出すなんて粋じゃない!スタッフさんとそんな酒談義をかましていると隣の人が乱入。地元の人達との交流戦に突入。




そうこうしていると母と妹から電話が鳴る。
「あんたいまどこよ!?盛岡ついてんの!?」
「お、おう。。盛岡にいるよ。」
「何時だと思ってんの?明日法事なんだから早く来なさい!!」
気づけば日付が変わっており、断腸の思いでハシゴからの〆を諦めて祖父宅に向かうのでした。