さて。新幹線降り、急ぎ足で丸ノ内線に乗り込む。目指すは五本木にあるスタイリスト岡部文彦氏の事務所。岡部さんとTACOMA FUJI RECORDS代表 渡辺 友朗氏の私物を売り捌く「フリマふたり」の会場だ。
2人とはちょうど1年前に会っていて、久しぶりの再会。というか去年も偶然というかノリで3人で呑むことになったんですが、自分の敬愛する2人とまた同時に会えるなんてぼくにとってはこの上なくありがたきご縁なわけで。
中目黒で東横線に乗り換えるんですが、渋谷で事故か事件かなんだかで電車が遅延。ごったがえすホームでしばし電車を待っているんだけど、アウターがないのでめちゃくちゃ寒い。真剣に自分のドジを憂う。
電車が遅れて到着するも、もはや乗り込める余地はないので見過ごす。その中に果敢にも乗り込む人多数、そうか、ここは戦場なんだと気付く。乗車率200%の電車を初体験しましたが、みんな何食わぬ表情ながら物凄い力で押し合いへし合いの攻防。ぼくは自分の立ち位置を確保するのに必死で、自分の降りる駅のドアが開く方向をこっちだ!と読んだにもかかわらず、まさかの逆方向だったときはぼくも顔の表情を殺し、人をはねのけるしかありませんでした。
学芸大学駅より徒歩にて向かう。先ほどの電車内でのおしくらまんじゅうであったまったのか、寒くない。あーここだここ、ここ曲がんだよなーなんて思いながらスムーズに到着。

感激ですよ。ドアノブの上には岡部さんのバリカンズステッカー、下には我がwcc worksのロゴが鎮座。よくあるステッカーチューンみたく貼りまくった中の一枚とは違い、サイズの同じ丸いステッカーがでーんと並ぶ。別に意味は無いのだろうけど、ほんとに嬉しくてしばし眺めてしまった。
コンコン。「お疲れっすー!」「うぃーっすー!」「ういすうぃすー!」みたいな、いつもの感じで迎えられるものの、2人とも1日中慣れないマンツーマン接客でお疲れの様子。岩手にアウターを忘れてきた武勇伝を話し、代わりのアウターを物色している中、渡辺さんはPCでひたすらオモシロ動画を漁っています。

この食べかけのみかんやじゃがりことかティッシュ箱のポジションからして、完全にひきこもりのおじさんみたいですが、決してそうではありません。ぼくがこの世で尊敬するたった3人の中のひとり、この方こそTACOMA FUJI RECORDS渡辺さんなのです。
もう一方、愛媛県から来たお客さんを本気で接客している岡部さんも、渡辺さんの見つけた画像や動画が気になってしょうがない様子。ほんとおもしろい。
ぼくもせっかく来たんだから何か買うてかえろう、というかアウターをゲットしなければ死活問題の為室内を物色。岡部さんコーナーでバーサレイヤーの赤い多機能ジャケットを試着すると「いわみつくんそれはキャラじゃないよ、つーか赤とか似合わないでしょ。」と厳しい一言で却下。さすがにスタイリストさんに言われると納得せざるを得ない。。でもぼくはいつもアースカラーばかり選んでしまいがちなので結局そいつを購入。渡辺さんの方からも、タコマのサンプルTシャツ(出回っていないものなのでマンモス嬉しい)なんかをゲット。
よーしじゃー呑みに行きますかー!ってことでお洒落タウン二子玉川駅近くの、お洒落とは全く無縁の居酒屋にて開宴。本当はぼくがいろいろと聞きたいところなのだけど、のっけから彼らの質問攻めに遭う。
「はーい質問!」「はいはいじゃあ次の質問いいすか!」という具合。ぼくも負けじと応戦し、外遊びの事、音楽の事、プロレスの事なんかの熱い話を聞き出すことに成功。プロレスの話は目からウロコというか、その深さと渡辺さんの熱量にちょっと感動した。お互い畑違いの業界だから、知らないこともたくさんあるもんです。

反社会勢力って。。

途中、彼らのブログやIGに度々出現される某有名ブランドの雄、ゴリさんを強引に呼び出して第2ラウンド開戦。到着間もなくおもむろに自作のマイグラスを持ち出すあたり、流石だ。(そのグラスはこの後半ば強引にぼくの手の中に)
他愛のない話の中でなぜその話になったのかは覚えてないけれど、おそらくその場にいた全員の心を鷲掴みにしたのが隣で異常な盛り上がりを見せる強面の男衆と、バックリ開いたお洋服から般若の刺青がこちらを睨む妖女たちがおりなす酒池肉林から時折飛んでくる「じゃあおっぱいみせようかー!」という目も耳も塞ぎたくなるようなフレーズと、渡辺さんが言った「This is not here」だった。
言葉の意味とかそういうんじゃなくて、なんつーんだろ。ぼくが言葉多くに説明しなければならないことをたった一言で片づけてしまった。以来、また少し丸くなれた気がする。何かあると文言のように、口をつむり加減に「this is not here」とつぶやいています。
財布から4000円を取り出し机の上にバンッと置き、「帰るっ」と言い放つお決まりのタコマスタイルを披露した渡辺さんが帰宅して閉宴。半蔵門にホテルを予約しておいたので終電が気になっていたんですが、「おれまだ話したいからさ、ホテルキャンセルしてうち泊まんなよ!」と強引なオファーに乗っかり岡部家に移動。これはっきりいってめちゃめちゃ嬉しいことです。
錫のぐい飲みで焼酎をちびちびやりながら、男であり父である2人の座談会。岡部さんお気に入りの外遊び道具をあれこれさわりながらいろんな話をしていつの間にか寝落ちしていました。